49歳、失神した日。迷走神経反射と、昭和男の敗北感について。

アンチエイジング / 健康

桜が散り始めた頃、言葉が出なくなった。

過呼吸のような状態で、嫁さんと話しながら、自分の身体が自分のものじゃないみたいだった。

心がまだ「大丈夫」と言い張っている間に、身体の方が先にギブアップしていた。

その翌週、整形外科でリハビリ中に失神した。

49歳の、春の話だ。

幼少期からの「体質」

思い返せば、心当たりはずっとあった。
幼い頃から車酔いがひどく、全校集会でしゃがみ込むことがあった。昨年の秋頃から、満員電車で気持ち悪くなることが続いていた。

病院で初めてその言葉を知った。迷走神経反射

血圧や心拍を調整する迷走神経が過剰に反応し、一時的に意識を失ったり、強い吐き気や冷や汗が出る。体質的に起きやすい人がいて、ストレスが引き金になることもあるらしい。

あの全校集会も、満員電車も、ずっと「自分が弱いだけ」だと思っていた。名前がついて、少し楽になった気がした。

月初に起きたこと

朝から気分が上がらない日があった。嫁さんと話しながら、突然言葉が出なくなった。過呼吸のような状態。自分でも何が起きているかわからなかった。

翌週、整形外科でリハビリを終えた直後に意識を失った。気づいたら床に倒れていた。

嫁さんに迎えに来てもらい、そのままかかりつけの内科へ。事情を話すと、大きな病院への紹介状を書いてもらった。24時間ホルター心電図と心臓のエコー検査。検査結果はまだ出ていない。

昭和男の敗北感

医師から、心療内科も受けておいてもいいと言われた。

正直、躊躇した。

心の不調を専門家に診てもらうことは、今や珍しいことではない。でも「昭和育ちの男」という自分の中の回路が、それを「負け」と処理しようとする。論理じゃなく、反射的に。

これは個人の問題じゃないと思う。日本社会が長年積み上げてきた「男は強くあれ」「弱音を吐くな」という空気が、身体に染み込んでいる。

うちの会社だけなのか、周りを見ると心身のバランスを崩している人が思ったより多い。
みんな、表には出さない。出せない。
「メンタルヘルス」という言葉が市民権を得ても、実際に一歩踏み出すことへのハードルはまだ高い。特に40代以上の男性には。

同僚に話したら、少し晴れた

職場の同僚に、恐る恐る話した。彼も1年ほど前、心身のバランスを崩していた経験があった。

話してみると、不思議なくらい気持ちが軽くなった。

アドラーはこう言う。「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と。裏を返せば、対人関係の中にこそ、回復の糸口もある。

「言葉にする」ことの力を、改めて感じた出来事だった。

それでも、今ここにいる

原因がはっきりわかったわけじゃない。ストレスなのか、遺伝的な体質なのか、事故の後遺症なのか、今の生き方への焦りなのか。たぶん全部が少しずつ重なっているんだと思う。

ただ、倒れた日のことをこうして書いているのは、社会への絶望を訴えたいわけでも、誰かに説法を垂れたいわけでもない。

49歳、こんなことがありました。今ここに、いますという話だ。

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