ゴルフを始めて、もうすぐ1年になる。
ラウンドはまだ3回しかしていない。コースに出るより先に、フォームを固めたくて練習場に通い続けている。筋トレと同じ感覚だ。回数をこなせば身体が覚える。そう信じて、週に何度かボールを打ち続けてきた。
でも、ドライバーだけがどうしても安定しなかった。
飛ぶ日もある。でも次の球はどこへ行くかわからない。「なんとなくおかしい」という感覚はあるのに、何がおかしいのかが言語化できないまま、ただ球を打ち続けていた。
そんなある日、試しにAIにデータを投げてみることにした。
スマホのトラックマンデータをGeminiに渡した


練習場に設置されているトラックマンのデータは、スマホのアプリで確認できる。打ち出し角、ボールスピード、最高到達点、左右の散らばり。数字は毎回蓄積されているのに、その意味を深く考えたことはなかった。
ある日の練習後、そのデータ画面をスクリーンショットしてGeminiに添付した。「これを見てどう思う?」と投げかけるだけで、あとはAIに任せた。
返ってきた分析は、思ったより具体的だった。
打ち出し角が低すぎる。理想は12〜15度のところ、自分のデータは10度前後、ひどい時は5度を下回っていた。最高到達点も低く、ボールが上がりきらないまま地面に落ちているため、ボールスピードの割に飛距離が出ていない状態だという。
さらに弾道図を見ると、ボールが右に散らばっていた。典型的なアウトサイドイン軌道。外から内へ振り抜く癖がついており、インパクトでフェースが開いたまま当たっている。だからスライス回転がかかり、飛距離が右へ逃げていく。
「なんとなくおかしい」が、数値と言葉で「これが原因だ」に変わった瞬間だった。
GeminiからPerplexityへ、AIを使い分ける
改善の方向性は見えた。打ち出し角を上げること、アウトサイドインの軌道を直すこと。ティーを高くして、インサイドアウトを意識した素振りから始めること。
ただ、頭で理解することと、身体で再現することは別の話だ。
次にPerplexityに聞いてみた。「この症状に合うYouTube動画を教えてほしい」と。
返ってきたのは、症状別に整理された動画リストだった。まず打ち出し角を上げる動画を見る。次にアウトサイドイン修正の動画を見る。最後に練習ドリル系で身体に落とし込む。見る順番まで提案してくれた。
GeminiとPerplexity、それぞれ得意なことが違う。データを読み解いて原因を分析するのはGemini、具体的なコンテンツや情報を探してくるのはPerplexity。AIを使い分けるという発想が、この一連の流れで自然と生まれていた。
中学時代の身体が、急に反応した
Perplexityが出してきた動画をひとつずつ見ていくうちに、ある動画で手が止まった。
「テニスのフォアハンドの感覚で振る」という説明だった。
中学時代、軟式テニスをやっていた。フォアハンドでドライブをかける感覚。ラケットのフェースを立てたまま、ボールの内側を捉えて前へ押し出す、あの感触。
ゴルフのインサイドアウトの動きと、軟式テニスのドライブの動きが、頭の中でつながった瞬間があった。難しい話ではなかった。むしろ「そういうことか」という、静かな納得だった。
身体はまだ覚えていた。30年以上前の、あの感覚を。
練習場で確かめてくる
AIが出してくれた答えを、次は身体で確かめる番だ。
ティーを少し高くする。ボール位置を左足かかと線上に固定する。テニスのドライブを打つイメージで、インサイドから押し出す。まずはハーフスイングで、高く出る球だけを狙う。
ゴルフ歴1年、ラウンド3回。それでもAIと向き合いながら、少しずつ「なんとなく」を「これだ」に変えていこうとしている。
49歳の身体は、意外と覚えていた。
続きは練習場で確かめてくる。
→【後編】実際に試してみた。感触と、まだ残る課題。

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